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写真展 アーカイブ

2007年04月11日

【写真展】hana「サクラドロップス」

4/7に見てきた写真展レポ1つ目。


既にご存知の方も多いと思いますが、有名フォトブロガーhanaさんによる写真展です。
内容は阿佐ヶ谷住宅の風景で、壁面には高さ2メートルある巨大プリントと1カットを3種類の大きさにプリントした展示、そして主催在廊時限定の机上スライドショー展示とポストカード販売がありました。

作品の内容はいずれも前述の通り阿佐ヶ谷住宅の風景です。
何気なく撮っ来た、という感じに見えますが既に万単位に届いているという撮影実績から導き出されている結果のようです。




そして1カット3サイズをひとまとめにして並べていくという展示方法、これがちょっと不思議な感覚を生みます。
本来なら1枚の写真を眺めるもので、時に寄ったり引いたりしてみるものですが。
この方法で展示されていると適当な間合いに立つだけで寄り引きも無く作品をじっくり眺めつくした感じが味わえます。
同時に、順々に作品を見ていく流れにもなにかテンポが出てくる感じがします。

この展示方法は展示を考える際に試行錯誤しているうちに出来たそうで、協力者の方々からも賛同の意見を得てこのように実行できたのだそうです。
通常の、ましてやメーカーギャラリーでの展示でこのような試みはなかなか見られないと思います。

そして写真の内容が展示方法と相まって、阿佐ヶ谷住宅の空気が写真からこちら側に伝わってくるような気がしました。
そこへトドメ?の壁面巨大プリントです、これを改めて見て展示の本質を提示されるという感じでしょうか。
ちなみにこの巨大プリントはロール紙インクジェット出力3枚を繋いで実現しているそうです。




そしてギャラリー中央には机上スライドショー展示、展示スペースにあまり大きな空白を作りたくない事と、展示以外の作品をどう見せるかという事でこのような形になったそうです。

この展示に使われているのは学校で不要になった机です、小学生用で天板がかわいい水色で古ぼけていますがなかなかおしゃれに見えます。
たまたま展示準備の時期に出てきた物件だそうで後先考えずに入手したそうです、実際展示作品との相性は抜群な上いい大人が子供用の椅子に座って作品をまじまじと眺めるという面白い風景を生み出していました。

机上の展示機材はデジタル写真立てというものだそうで、手ごろなサイズの液晶ディスプレイにスライドショー機能を備えたものです。
PCを据え付けるより遥かにコンパクトかつスマートに見え、机の作り出す雰囲気を邪魔しない良い選択だと思います。





今回の展示は作品点数は少ないものの、作品が見やすい・馴染みやすいという配慮のおかげで気軽かつより深く被写体の世界を体験出来たと思います。
また、このような展示が出来るのは長く一つのテーマに取り組み量と質を伴う結果を出す・センスを磨く・頼れる協力者を作っていくといった努力があったのだろうと強く感じました。

2007年04月12日

【写真展】風間健介「夕張」

4/7に見てきた写真展レポ2つ目。


長年夕張に住み作品撮影に取り組まれ、2006年には3つの受賞を同時にされた写真家である風間健介氏の展示です。
内容は題名の通り炭鉱の町であった夕張のさまざまな場面を収めています、作品は全てモノクロプリントです。
展示は会場であるルーニーの一室の壁面をすべて埋め尽くした上に廊下とベビールーニーと呼ばれる小さな部屋に至るまで展示が行われていました。
また、写真展の題名にもなっている写真集の販売や普段から氏が行われている安価にて小さ目のRCモノクロプリントを頒布するという事も行われておりました。



まず会場入り口で目に飛び込むのがこの表示。
撮影歓迎とドンと表明している所はなかなかありません、当然ながら他のお客さんに配慮する必要がある事は言うまでもありませんが、非常に面白い取り組みだと思います。




展示は入り口から小部屋~メインのギャラリーと全てを埋め尽くしています。



展示内容について細かい説明をするのに自分ではあまりに知識と解説力が不足しています、氏のサイトより写真集「夕張」のあとがきを引用しておきたいと思います、まずはこちらを御覧頂くとして。



このような背景を持った写真群ですが、ギャラリーの壁面を埋め尽くすRCプリント達はどれも綺麗なものでした。
あとがきの始めの方で氏が述べられる粗い粒子が目立つ当時の炭鉱関係の写真とは違い、非常に綺麗なトーンと澄んだ空気の中の光と影が写しこまれています。
昼間の屋外のカットではモノクロでも空の気持ちよさが感じられ、夜景になれば綺麗な星空がよく見えます。
炭鉱施設の屋内のカットでは働いていた人達が存在していた事を示す空気と、道具・機械の持つ硬く冷たい・しかし使い込まれた暖かさもある質感がどこまでも克明に描写されています。
よくある廃墟写真の、悲惨さや生々しさばかりを押し出したもの達とは全くの別物です。


見ている最中には他のお客さん達も来られていましたが、そのうち何組かは丁度新聞に掲載された記事を見てこの写真展を知り来たという夕張出身の方々でした。
自分は静岡の出身ですが、地元の風景が有名写真家によって作品になりました、と聞いてもそんなに興味がそそられるとは思いません。
しかしこの方々は実にじっくりと、深い思いを抱いている様子で展示を見ていかれました。
やはり夕張という街にはそうそう他所に居た人間には計り知れないものがあったのか、と思います。




オリジナルプリントを廉価で頒布することでも知られる風間氏ですが、会場でも前述の通りプリントを買うことが出来ました。
プロの、まさに本気で「写真で食っている」方の作品が小振りな判とはいえ1000円からというのは破格です。
写真の売り買いについては、日本はまだまだこれからという事を渡部さとる先生のワークショップでも垣間見た所ですが、風間氏はその点でも先を走り続ける方なのかも知れません。


この写真展でも作品作りにおける撮影の量と質・一つの事に長く取り組む事が重要と感じました。
そして、オリジナルプリントは本当に美しいと言う事。
写真を買う・所有する事にも意味はあると思いますが、やはり写真集や雑誌記事とは明らかに違う本物の美しさも価値の内です。
そして、その違い事が作品の真価の一部を占める場合があると言うことです、少なくとも風間氏のプリントにはそのような価値も含まれると感じました。

2007年04月14日

【写真展】鈴木信彦「Tokyo Spiritual to be free」

4/7に見てきた写真展レポ、ラストにしてメイン。


10年以上に渡り東京・特に渋谷の夜をスナップ撮影されている鈴木信彦氏の写真展です。
会場は新宿ゴールデン街のAgua De Beber(アガジベベー)という1Fがショットバー・2Fがギャラリーになるお店です。
展示会場詳細(PDFファイル)

展示内容は前述の通り東京の夜の街のスナップです、銀座のカットが少しある他は全て渋谷・モノクロが一部ありますがその他は全てカラーの作品となっています。
過去に同名の展示を何度かされておりその都度新作の追加やセレクトの違いがあったようですが、今回も今までの実績に新作を加えての展示となっているようです。



ギャラリーとなる店の2Fは屋根裏部屋の雰囲気がある手作りの空間で、そこの壁から天井まで覆い尽くすように作品が展示されています。
部屋の雰囲気と作品の展示方法の相互作用で、より作品のもつ雰囲気を深く味わえる空間になっています。


さて、この展示の内容ですが。
先の説明では単に「夜の街のスナップ」と説明しておりますが、知識・見聞の乏しい自分では保障できませんが少なくとも何人もの写真に携わる人の言葉をまとめると、恐らくは日本トップレベルのストリートスナップです。
簡単に書いてしまっていますが、実際に作品を見ることはもちろんストリートで撮ったことのある経験があればなおさら、ここまでの作品を撮ることがいかに困難であるか考えただけで絶望すると共に、全てがドラマの一場面であるかのような作品の美しさに憧れを抱きます。


撮影は基本的にリバーサルフィルム(現在ではライカにプロビア400Xとの事です)と標準焦点距離大口径レンズを開放近辺で使うやり方だそうです。
更には被写体を2メートルにも満たない距離で正面からアイレベルで捉えています。
基本的に被写体には声は掛けていません、しかし決定的な場面を捉えています。中にはこちらと見つめあうようなカットまであります。
これは実際にやらないとわからない事もあるのですが非常に困難な撮影方法です、特に夜の街では様々な人が居ますので危険が伴う事もあるようです。
しかしこれが決まれば切なくも美しい場面がフィルムに写しこまれるのです。



今回はお店の開店直後にお邪魔して、ギャラリーを一人占めしながらゆっくり飲みつつ拝見させて頂きました。
しばらく後には何人かお客さんも入り、21時頃には鈴木氏ご本人もお越しになり幾つかお話を伺うことが出来ました。
その際まず感じたのは、鈴木氏がもう渋谷そのものであるかのような雰囲気を持っている事、それなのにとてもお話しやすい人柄の方だという事です。
何かこう、「達観している」という言葉がしっくり来るのかもしれません。



こうやって感想を述べてきましたが、実際に作品を見た感想を伝えるのは困難というか無理だと確信しています。
ストリートで人を撮る・その写真を公開することに少なからず問題が付きまとう昨今、ここまでの事が出来る人はそう居ないと思います。
この写真展やストリートスナップについてのお話を考え始めるときりがありませんし上手くまとめることも出来そうにありません。
今回のレポートも自分としては伝えきれていない事がまだ沢山あるように感じます。

ただ確実に言える事は、素晴らしい展示なので是非見て欲しいという事です。
とにかく見て頂く他ありません。
会期は今月28日までということですのでまだ時間はあります、少しでも興味をお持ちの方は是非どうぞ。
また残念ながら行けなかった方も、写真展に協力されていると言うか主催の一人と言える存在のyasさんのブログで色々な方のレポートや感想等情報がまとめられています、こちらもどうぞ。

2007年05月03日

【写真展】boogie「Boogie Photo Exihivition」


セルビア出身・ニューヨークで主に活躍しているフォトグラファーboogieの写真展。
写真展詳細はこちら。
場所は南青山のL’ECLAIREURという所の2階。
内容はモノクロプリント数十点の展示とプロジェクターによるモノクロ作品の上映。
boogie氏に関しては、以前紹介させて頂いた鈴木信彦さんの写真展で尽力されたyasさんのストリート写真ブログが詳しいので、左記2点のリンク先を御覧下さい。


写真の内容は大まかに分けて3つ、セルビア時代のスナップ・ニューヨークの治安の悪い場所のドキュメンタリー・ナイキエアフォースワンとのコラボレーションの為に撮られた作品、これらに分かれます。




一番量が多くインパクトが強いのがニューヨークの写真群です。
ギャング達がうろつく街に入り込み、彼らと親しくなっていってようやく撮れたと言う貴重なショットの数々です。
銃・ドラッグ・貧困といった要素が当たり前のように溢れかえった世界が広がります。
普通の観光客がノコノコ入っていったらあっという間に金品から命まで奪われそうな所です。
もう、命知らずとしか言いようが無い撮影で圧倒されます。
その中にも彼らの生活や遊びが見え隠れするのも、また実に生々しいと感じさせる一因のようです。


セルビアの写真も少々治安の不安定さが見えますが、中には貧しいながらも穏やかな時間の流れる場面も見られる街のスナップがあります。
ニューヨークの写真でちょっと圧倒されますが、こちらの写真ではboogie氏のセンスの良さと場面を捕らえる力が良く判る気がします。
そのあたりを踏まえてもう一度ギャング達の写真を見ると、ちょっと視点が変わる気がします。



ナイキとのコラボ作品はその名の通りで同社スニーカーやストリートを闊歩する若者をメインに撮られています。
やはり「この為に」撮られているだけあって多少スニーカーが主役になりすぎているカットもありますが、迫力のある場面もちゃんとあるのは流石です。



会場では写真展のパンフレット・プリントの販売価格表が貰えます、その他にboogieの特集が載った雑誌が千円で販売されています。



パンフレットでも写真は幾つか見られますが、雑誌のほうが収録点数が多いのでこちらをゲットしておくことをお勧めします。
かなりのボリュームがある本ですのでお徳感はありますね(^^ゞ、あと会計が下のおしゃれなお店になりますので、こういう所に全く慣れていない自分のような人はあらかじめ覚悟しておいた方が良いですよ(^_^;)



プリントのお値段は30万円台後半~70万円強といったところ、ちょっと普通の人では手が出ません。
ただ、この内容とこれからの可能性を考えるとお金を出せる人にはお買い得に見えるかも知れません。



5月の1・2日と夕方に見に行ったのですが、お客さんの入りは3名前後とちょっと意外。プロジェクターによる映写展示を見るには非常に快適ですが、はやり寂しいです。


他の時間帯や休みの日になればまた違うとは思いますが、もっと沢山の人に見て欲しいと思いますし、そうなるのにふさわしいレベルの高い作品だと思います。
会期は5月6日までですので、興味を持った方は是非見て下さい!

2007年06月09日

【写真展】PHOTO WORKSHOP resist 『不撓不屈』


塾長に吉永マサユキ氏・特別講師に森山大道氏を迎えて行われているフォトワークショップ「resist」の写真展です。

我らがワークショップ2B受講生からは、20期の渡辺さんと15期shigekiさんが出展されています。

こちらのワークショップについては、一期募集時に講師陣その他詳細を拝見したのですが。
「怖そう」というのが第一印象でした。
なにせ塾長があの「族」の吉永マサユキ氏です、身近に見られる作品としては駅前の展示で有名な「新宿ID」がありますが、自分にはどーしても「族」のお方です。
それに歌舞伎町を捉えてきた森山大道氏をはじめ、写真家はもちろん編集者・右翼活動家・ボクサーまでと「これほんとに写真のワークショップですか?」と言いたくなる講師陣が名を連ねています。
これは怖い。

ということで、まさに虎の穴の卒業生が牙を磨いて待ち構えていると思いましたが。
別に食われたとかそう言う事はございませんでした。

さてこの展示内容ですが、かなり様々に分かれています。
その中でも「これはやられた!」と思ったのがshigekiさんのセルフポートレートと川本さんの夜のスナップです。

shigekiさんのセルフポートレートはご自身の体をそのままさらけ出しています。
あまりにも力のある作品を相手にするといくら感想を書いても伝えようが無い気分になるのですが、まさにその症状が出るものでした。
5発の拳を食らってきた気分です。

川本さんのスナップは、夜の街で倒れこんでいる酔っ払い達を捉えています。
と、説明するとなにやら汚い印象があるかも知れませんが極めればそうでもない、何か凄みが出てきます。
こちらも説明するより見て頂くのが確実と言うしかない、数と質で圧倒するパワーで攻めて来る作品群です。

何れの作品も共通して言える事は、作品を見たらカメラだのレンズだの技術的な事はもうどうでも良くなる、そんな力があります。
こちらのワークショップの案内の冒頭に「このワークショップは写真の技術習得を目的とするものではありません。」とあります。
なるほど納得、そんな事よりも大事な事がこれだ!と言わんばかりの展示です。

今回は、もう会期も少なく11日月曜日までということで取り急ぎ紹介させて頂きました、時間のある方は是非御覧下さい。
パワーのある展示を見れば、何かやる気が出てくるはずです。



で、今日のお勧め2点の競演です。

2007年06月20日

【写真展】李(三田)基樹個展「GOOD TIMES, BAD TIMES」


渡部さとる先生主宰の「ワークショップ2B」で同期だった方の写真展です。

展示内容はモノクロのストリートスナップ、部分的に2枚1組で雑誌の見開きのような構成にしたのが特徴です。
被写体は全て都内・及びその近郊のストリート、基本的にノーファインダーで撮影されています。
高感度フィルムを大胆なトリミングをして大伸ばししているので、非常に粒子が目立つ特徴のあるプリントになっています。
撮影場所は都内及び近郊との事ですが、ちょっと日本ではないような雰囲気を感じる独特な仕上がりです。

さて、この展示を見た方の中にはそれなりにストリートスナップの経験者による展示と見えるかも知れませんが、実はなかなか大胆な経緯があります。
最初ワークショップでご一緒させて頂いたときは、ごく普通に写真が上手くなるためということで受講されておりました。
その後ワークショップの回を重ねるごとにストリートスナップとそのためのカメラに興味を持たれたようで、気がつけばPENやGRと一緒に大量のストリートスナップのプリントを持参されるようになりました。
もうその頃から今回の展示のような傾向のある写真を撮られており、その後ワークショップのグループ展を経て今回の個展です。
実に1年少々でこの進化、もともとこの方面の才能があったとしか言いようがありません。

そして今回の写真の特徴ですが、まず「写真を撮りに行く」ということをしないそうです。
全て、仕事の合間や生活の中で撮られているとの事です。
次に「ノーファインダー」、これはご自身の「自分はこんな風に物を見ている」という事を反映した結果だそうです。
普段の仕事・生活の中での撮影ですので、なんでもかんでも正面からじっくり見ているわけではない、ふと気になったものをぼんやり眺めたり・チラッと見たり・時には振り返るような、そんな感覚の視線です。
もう一つノーファインダーの理由としては「見つけた場面を逃さず即座に撮りたい」と言う意図があります。
とにかく気がついた瞬間にシャッターを切る、もし間に合えばさらに(可能であればフレーミングもして)してもう一枚、と言うペースだそうです。

人によってはこのような撮り方が好きではないかも知れませんが、氏とのお話からは明確な意図と信念を持って実行されていることが伺えます。
また、まずやってて自分が楽しいことが大切ということも話しておられました。
必ずしもこういう写真たちが誰にでもウケるわけではない、だからと言ってウケる事だけ考えて撮ってしまっては本末転倒、自分が楽しくなくては面白くもないし長続きもしない。
音楽活動も以前から行われているそうですが、同様の精神で長く楽しんでおられるようです。

さて、今回の展示で面白い要素がありました、それは「フォトメンコ」なるものです。
名刺より気持ち大きめサイズの厚紙に写真が印刷してあり、やや薄手ではありますが確かに「メンコ」になっています。
小さい写真集で今まで見たことのある例では、ポストカードやポラロイドをまとめたり小ぶりのプリントを使用したスクラップブックなどが良くある例だと思います、しかし「メンコ」は未だ聞いたことがありません。
これを実際にバンバン床に叩きつけて取り合いはやらないと思いますが、小さい写真集の形の一つとしてなかなか面白いアイディアだと思います。
単純に写真を見るだけでなく、飾る点においても自由度が高く面白く使えそうです。

今回お邪魔していてちょっと気になる出来事がありました。
自分が見ている間に二人ほどお客さんがお見えになったのですが、そのお客さんは見るだけ見た後はお話をせずに帰ってしまわれたことです。
折角作品を作った本人が目の前に居るのですから気になったことは何でも聞いてみてはどうかと思います、展示はその時にしかありませんし折角足を運んだのに色々吸収するチャンスを棒に振るのはもったいない事です。
逆にこれはダメ・嫌いと思ったら、それはそれなりに失礼にならない程度で話をしてみるのもアリだと思います。

最後に。
気がついた方も居られるかも知れませんが、「フォトメンコ」のタイトルの最後には「1」と書いてあります。
既に「2」を考えておられるとの事で、年内には2回目の個展開催を目指すお考えのようです。
こちらにも期待したいと思います。

2007年07月03日

【写真展】田中長徳「PRAHA」


写真・クラシックカメラの世界では有名人である田中長徳氏の写真展。
展示内容はチェコ共和国の都市プラハをスナップしたモノクロ作品、オリジナルプリントで30点程。
プリント販売もあり。

自分の写真経験はまず高校(定時)時代にうっかり?入ってしまった写真部の、文化祭展示作品を一人で作るハメになった事から始まります。
この後、自前でカメラを購入し少しばかり写真を撮っていたのですが卒業と共に沈静化。
その後就職をし東京に来てから数年後、ひょんなことからクラシックカメラ(レチナIIIc)を買う機会がありました。
この時に色々と情報を集めた折、初めて田中長徳氏の名前を知ったのでした。
大体クラカメと名の付く本・文章にはこのお名前が出てくるほどでしたので、すっかり「クラカメのオジサン」という認識が定着し、写真家としての一面は知らないまま随分過ごした事になります。
そしてワークショップ2Bで知る事になった写真家の中に田中長徳氏が再び登場、なんとシブい写真を撮るのだとビックリした次第です。


こんな経緯を経て最新作を拝見に参った次第です。
作品はどれも美しいトーンのある街の風景で、とにかく光が綺麗です。
構図に収まっている場面自体は落ち着いているのですが、とてもドラマチックに見えてきます。
何でも撮影に使ったカメラはプラウベル社のマキナだそうで、しかも稀に中古屋さんで見掛ける黒いボディにニッコールのアレではなく、更に古いもののようです。
確かに写真に写っているフレアらしき光芒が古いレンズっぽく見えますし、レンズ性能から出た結果と思われる独特の描写があるように思えました。
どうもそれが現代で撮影しているのに昔に戻ったような雰囲気を持たせているようです。
CG加工でもそのような事は出来るのでしょうが、レンズ一つで出来てしまったと思われるこの作品は、カメラと使い手のなせる業と言うことでしょうか。


今回の展示では全ての作品に価格が付いておりました、つまりは販売もOK。
1/5との表示ですので5枚まで焼くという事ですね、DMに使われていた美しい川辺の写真は完売、その他にもいくつか売れたことを示す印が付いていました。
個人的には一番目の写真が好きですね。
で、このプリントの価格ですが、それほど大きくないとはいえ有名人のオリジナルプリントにも関わらず6万円。
これはちょっと驚きました。
二桁万円の世界以上と思っていたので、誰でも努力をすれば手に届く価格は意外です。
会期中に行なわれたトークショーが写真を買うことに関するものだったそうですので、この価格に設定した意図など拝聴できたのかも知れませんね。


会場のギャラリーはかなりおしゃれで快適でした、この時計のテーブルが気に入っています。


と、言うことで。
改めて氏の記憶のタグを「クラカメのオジサン」から「写真家」と書き換えて保存したのでありました。

2007年08月26日

【写真展】梁丞佑 (Yang Seungwoo)写真展『LOST CHILD』

ギャラリー・ニエプスにて開催、もう明日の8月26日までしかありません。
いきなり私のような未熟者が申し上げるのも恐れ多いのですが、ストリートにおける撮影に興味のある方は是非見に行って欲しいと思います。
ただし、こちらでの展示は恐らく多くの撮影者にとっては「目標」になるものではありません。
「気軽に立ち入ってはいけない」・「素人が真似したら痛い目にあうので止めておけ」
そのような世界の展示です。

展示はインクジェット・モノクロ、表題の「LOST CHILD」を主に出展者様の他の作品を織り交ぜた展示です。
何れも夜の新宿歌舞伎町を主な舞台にしております。
出展者様は、以前は恐らく「そのスジ」に近いの方のようです、展示の他に大量の写真を納めたブック群がありますがそちらの内容から確認出来ると思います。
今は写真に専念されているとのお話です、残念ながら本日はご本人が居られないためギャラリーの方よりお伺い致しました。
そのお話を聞いて初めて作品が納得できる、そんな「内部・仲間の立場から見た」写真達です。

初期は事件性のあるものを追いましたが、その後夜の街に居る子供たちの存在に惹かれ子供の写真も撮られるようになったようです。
こちらについては写真展にあるキャプションより、雑誌「風の旅人」(ギャラリーに置いてあります)に掲載されている写真展と同名の記事にある文章をご覧頂くとより詳細がわかると同時に、穏やかで優しい人柄が伝わってきます。

万人に受け入れられる写真とは思いませんが、もっと多くの人に知って頂きたい作品であることは間違いないと思います。
時間があれば是非ご覧頂きたい展示です。

2007年09月06日

買いました

ちょっと手を出しにくい値段だった気がします(^^ゞ
フォトバックだけに仕上がりは綺麗ですね、スクエアフォーマット(GRD)との相性が抜群なのも個人的に好みです。

ということでワークショップ繋がりで秋葉原のギャラリーもなかなか楽しいことにはなったのですが、人の入りは厳しいようです。
平日はビジネスの街ですし休日も人の流れのほとんどは歩行者天国に行ってしまうようです、店員さんにも様子を聞きましたが、なかなか知らないお客さんを飛び入りで引き込むのは難しいようです。
グループ展でもそうでしたが、基本的にはどこでやっても人の繋がりと今までの実績がお客さんを呼ぶ力というところでしょうか。

2007年09月19日

【写真展】鈴木理策「熊野、雪、桜」

東京都写真美術館2階展示室、10月21日まで。
カラープリントでタイトルどおりの3つの主題からなる作品の展示です。

今回の展示は組み写真・写真の見せ方という点が参考になるものでした。
鈴木氏の写真の感想として「ロードムービーのような」という言葉を良く見かけますが、まさにそれが納得できる内容です。
主題3点がそれぞれ別物の演出をされた空間にありますが、それが演劇の舞台転換を思わせるような繋がりで展開して行き1つのストーリーになる、そんな印象を受けます。

写真それぞれの展示も細かい配慮があります。
暗い部屋に展示した写真には写真とほぼの形で照明を当て、闇に浮かびあがるような演出があります。
この演出があるエリアですっかり暗い雰囲気に慣れると、次の展開がより印象に残るような仕掛けのようです。
また写真と写真の間隔にも仕掛けがあるようで、ある程度写真のまとまりがある毎に少し間隔が広く取られています。
これにより1つの主題の中でも細かいまとまりがあることがわかり、それが判ると写真の並びにリズムや抑揚があるかのような解釈が出来てきます。

展示場所・内容共に大きな規模でありそうそう真似の出来るものではないのですが、小さな展示やブックの作成などでもヒントになるようなものがあったと思います。



で、今回展示を拝見していて気になることが。
自分が行った時は入場者がちょっと少なめで快適だったのですが、そこに若い女の子2人組みが。
何やらベラベラしゃべりながら作品をベタベタと触りつつズンズンと進んでいきます。
係りの方が慌てて作品に触れないよう注意されておりました。
ここの展示は有料でしたので、それなりに目的意識が無ければ入ってこないと思うのですが、なんだったんでしょう。
ひょっとしたら写真関係の学生さんかも、と思いましたがそうであったら作品にそんな態度では接しないと思います。
展示によっては触ったりしても構わないというものもありますし、蜷川実花氏のある展示ではその辺に用意されたじゅうたんやクッションに座ってダベりながら見てもOK、なんてのもありました。
しかし今回の展示はそのような事は無しというのは明白でして、見る側のレベルも問われる場面でした。

2007年10月06日

【写真展】李(三田)基樹写真展 「YOU SHOOK ME」

期間:2007年9月24日(祝)~10月6日(土) 19:00~深夜
開場:nagune(ナグネ) 新宿花園ゴールデン街 新宿区歌舞伎町1-1-5 TEL 03-3209-8852 http://www.nagune.jp/

ワークショップ2B同期の李氏による第二回個展。
内容はストリートスナップのモノクロプリント、夜の繁華街・人物がメインで十数点の展示の他、「フォトメンコ」の展示・販売。



新宿ゴールデン街に写真展を見に行くのはこれで二回目、地図と営業時間を見ただけで行ってみましたがそれほど時間も掛からずお店を発見。
丁度前回お邪魔したアガジベベのお向かいでした。

お店の看板があるべきところには今回の展示内容からのものと思われる写真がドンと飾られており、非常に目立ちます。
店内は一階がカウンター・二階が屋根裏風味のギャラリーになっており、それぞれに展示はありますが一階は数点のみで残りは全て二階という構成です。
ですので、呑みがメインならカウンター・写真がメインなら屋根裏風味の二階に陣取るのがよろしいかと思われます。



展示内容ですが、前回のニエプスでのものと比べて人物がメインになっているのが最大の特徴です。
そして相変わらず黒い・粒子が目立つ、力強いプリントです。
氏はどちらかと言えば被写体の真正面ドンと構えて、というよりはストリートを流しながらサクサクと撮っていくスタイルらしいのですが。
実際の作品は良い場面を確実に捉えています、このあたりはセンスや行動力の成せるものだと思います。

ただし、中には大胆なトリミングによる構図の構成もあります。
私「この写真凄いですね、どこでこんな状況があったんですか?」
李氏「どこだったかな、多分元の写真を見ればわかるかな」
私「?」
李氏「これね、元の写真のこのくらいの部分(と言って四角から1/4位を切り出す動きを示す)を焼いたんだ」
私「なるほど(^^ゞ」
という事も(笑)
トリミング否定派からするとかなりの反則という事になると思いますが、結果が良いのでなかなか文句が付けられないと思います。



さて、今回で個展は二回目という氏ですが、既に次を計画されているそうです。
このまま行けば年に3回は行けそうなペース、凄いスピードです。
そんな氏と色々お話させて頂きましたが、氏にとって個展(展示)は次に行くための重要なステップになっているとの事でした。
こうやって展示して見て貰い、話をする。
そうやって行くことで展示までの事に区切りが付き、次の作品作りへの糧になっていく。
そのような事を仰っておられました。

今までも個展を開催された方は口を揃えて楽しいよ、と仰ります。
準備が大変と言う事も同時に、ですが。
実際こちらも作品を拝見してお話する事が楽しかったですし、いずれは個展、思いますが。
なかなかそこまで行けるような作品が全く出来ていないのが現状です、しかし今回の展示を見て撮影を続ける力が湧いてきたような気がします。



さて、今回お邪魔したゴールデン街の「nagune(ナグネ) 」ですが、お勧めのメニューがありますので紹介したいと思います。
それは泡盛(焼酎だったかも)にコーヒー豆を漬け込んだもの、これをソーダ割にして頂きます。
お酒がまろやかになると同時に、コーヒーの香りと苦味などおいしい部分だけが抽出されている感じです、何杯でも行けそうな飲み口。
また、甘さが無くスッキリしていますので「甘いのは苦手」という方にもお勧めできる一杯です。

その他ではおつまみとして作っていたチヂミ、早い話が韓国のお好み焼きですね。
作っているところを見るとかきあげが出来そうな工程ですが、最終的には材料がペッタンコに凝縮された物が出来上がります。
お祭りの出店でたまに食べる機会はあったのですが、ベタついた印象が強いものでした。
しかしこちらで頂いた出来立てのそれは、具が凝縮されていても食感はサクサク・辛味噌とあいまってビールが進みます。
確実に二杯目に突入する美味しいメニューでした。

2007年10月20日

【写真展】2Bルデコジャック

既に終了しておりますが、9月にワークショップ2B関係者で渋谷のギャラリー「ルデコ」の4フロアを借り4つの写真展が同時に開催されました。
ワークショップ内では「ルデコジャック」の名称で定着した、年2回のイベントです。
今回は写真展を3つに分けてご紹介。




2・3階
ワークショップ2B 第17期グループ展「太陽と17歳」
ワークショップ2B 第18期グループ展「il fotografo」

こちらはタイトル通りワークショップ受講経験者の有志にて期毎に開催しているグループ展です。
展示内容は一部カラーですがその他殆どのメンバーはモノクロプリントの展示、被写体は様々です。

基本的に皆さん綺麗なプリントを作られています、メンバーの細かいプロフィールを知りませんので作品作りの経歴等わかりませんが、作品のレベルは高めで揃っていた印象があります。
ただ、皆さん同じ師匠に習ってきた直後と言う事でプリントが似通っている気はします。
このワークショップとは関係の無い方の感想を幾つか伺ってみたのですが、そのような印象があったようです。
もっともこれはある程度仕方ないことでもありますし悪いことでもないのですが、いずれはそれぞれの個性が出して行けるようになればと思います。
やっぱり出来る人はグループ展の時点から何か一つ抜きん出ているんですよね、一番地味で無難な作品を作って「出来る人」の進化を見ていた人が言うんだから間違いない(^^ゞ

当日はお客さんも多かった為あまりじっくりと拝見したり作者さんとお話出来ませんでしたが、今でもすぐに思い出せるのは酒蔵の作品とカラーで森の風景の作品です。
いずれもグループ展の狭いコーナーではなく個展で数と大きさのある展示を見たくなるものでした。
島の写真の方も数が揃ってくれば作品の世界が見えてきそうですね、期待しております(^^ゞ


年始めに私も15期メンバーと言う事でグループ展に参加させて頂きましたが、その時の様子を思い出す展示でした。
なんと言いますか、当時緊張してギャラリーに立ち尽くしていた事など思い出してなんとも言えない気分になります。
そして、今思えばこのグループ展は免許で言う路上講習のようなものだと思いました。
こうやって展示をして初めて人に見て貰う事の楽しさを知ると同時に、如何にまだ何も出来ていないか知る事になります。
来てくれるお客さんもワークショップの師匠とその関係者の数とコネのおかげである部分も大きいです。
この次に、自力で何かの展示をやってようやく実績として数えることが出来る気がします。

そう考えると、自分はまだ殆ど実績がない気がしますね。
秋葉原は関係者さんに便乗したようなものですから、あまり威張れる物ではないですし。




5階
3人展「猫」

この被写体の写真を見るたびに「反則だ!」と言うのが私のクセです。
だって、可愛いじゃないですか、悪いわけがない(笑)
ということで満腹になるまで猫成分を補給できる展示でした。

展示内容は当然「猫」写真、出展者によりカラー・モノクロそれぞれありましたが何れも作品作成経験が豊富な方による物ですので質も確かです。
自分はいつも猫には嫌われる体質らしく、あまりこちらを向いてもらうことも出来ないようなのですが。
展示された写真の猫達は実に伸び伸び・自由にしており、なんともうらやましく思えてきます。

また、今回の展示にはグッズ販売も出ており特に女性に人気のある様子でした。
このようなコラボも展示と併せて楽しみが増えるいい仕掛けですね。




6階
「漂流者展」

ブログ「我が漂流記」で有名な「漂流者」氏の個展です。
会場を押さえた時点から個展の開催はブログを通じて知っておりましたが、この会期直前まで一体何が展示されるのかわかりませんでした。
ブログの過去記事に目を通しても、作品作りで試行錯誤したことと大詰めのプリントで苦労された様子しかわかりません。
さて何が出てくるかと思い拝見してみると・・・会場には50数点に上る「ブログに掲載した写真」達が。

恐らくこの展示を見に来る人の内、かなりの方は主催者ご本人とブログを知っている可能性があります。
ですので、そのような人達にとっては見覚えがある写真ばかりと言う事に。
逆に全く面識も無くたまたまフラっと入って来た人には、展示の主題が全く見えないという事になりそうです。
はてさて、これは一体「あり」なのか?

並んだ写真達の内容は生活の一場面・モンゴル等撮影先での一コマ・これまでに出会った写真家達の肖像と様々です。
入り口には簡単な説明の文章がありますが、写真には日付と場所や対象を表す一言タイトルが付いているのみです。
ちょっとクビを捻りながらも拝見していると出展者ご本人が来られましたので、色々と写真を見ながらしばしお話をさせて頂きました。
やはり双方内容を知っているわけですのでネタ毎に話も盛り上がります。

と、そんな事をしつつお客さんの様子も見ておりましたが。
どうも一周すると必ず気になる・気に入った1枚を見つけて行かれる人が多いような気がしました。
どこかにそんな仕掛けがあったのでしょうか?
いずれにしても今回の展示は個人的には楽しめましたが、やや展示の意図に謎が残った気がしないでもない、そんなものでした。

そして後日。
漂流者ブログを拝見するとこんな文章が。(一部抜粋)
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気軽に撮ってブログに載せた写真を写真展として発表することの面白さを感じる。額装して展示できたのも良かったと思う。そうすることに「どうして金をかけてそこまでするのか?」と問うてくれた人がいたが、それが狙いだったのだから、最高の賛辞だと思っている。

僕は、メーカー系のギャラリーで展示してもらえるような写真を撮れるわけでもないし、そういう写真を撮りたいわけでもない。ただ、日常の中で面白いと思ったものを撮ることに意義を感じている一人のアマチュア写真家である。だから、そういうスタンスでこれからも写真を撮って行きたいと思っている。
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どうやら自分がちょっと考えすぎていたようです、そして一本取られたようで(^^ゞ
「1枚」を見つけていく人が多かったような気がするのも、おそらくはこのような内容・スタンスの結果ではないかと思います。


と、こうして私は新時代写真展の目撃者になったのであった。

2007年11月11日

【写真展】フォトプレミオ 竹下太郎写真展「望郷」

自分がお世話になりましたワークショップ2Bの受講経験者でフォトプレミオ2007第3期展示入賞の竹下太郎氏による個展です。
展示は6×6のモノクロ30点程度、フォトプレミオ入賞といういことで新宿のコニミノギャラリーでの展示。

作者は東京で生まれ育ったが、東京に「故郷」を感じないと言います。
そして旅に出た先で故郷のイメージを求めて出来てきた作品のようです。

ワークショップのメンバーでは「年齢詐称疑惑」があるほど彼はシブい写真を撮ります、作者の素性を伏せて作品を見せられた人は結構上の年齢を想像するのではないでしょうか。
実際はまだ就職を控えた大学生です。

以前ワークショップを開催する場所で彼にあったときは、まだちょっと頼りない印象でした。
課題でセルフポートレートを撮ることで悩んでいたと思ったのですが、どうしたら良いのか皆目見当が付かずワークショップの先生に厳しい指摘を受けていたと思います。

しかし今回会場で会った彼は自信に溢れていました、写真も主題・視線が明確で安定しておりかつ美しい仕上がりでもあります、内容と見た目の美しさの両方で評価出来る写真だったと思います。

写真には南の島の人達の生活の情景が写されていますが、他所から来た者が撮ったようには見えません。
久しぶりにこの土地に帰ってきた人が、自分の知る場所を転々としていったように見えます。

作者は撮影の旅について、その土地の人や場所とすれ違って行くような感覚を持っておりその姿勢で今後も続けていくと話しておられました。
作品からはちょっと逆の、土地に長く滞在して交流を深めていくようなイメージを想像しただけに意外でした。
ただ、作者の東京と故郷についての思いからすると、それが自然なのかも知れません。

今回はワークショップの出世頭登場ということで関係者も多く訪れたそうです。
そこで一番言われたのは「次が大事」だとか。
まだ若く可能性も大きい作者の、次の作品に期待せずにはおられません。

2007年12月03日

【写真展】林 幸子 写真展 「ミテイル」

ギャラリーアートスペース「モーター」にて、2007年11月16日~24日(終了)。
35mmフィルム・モノクロプリント。
出展者はワークショップ2Bの出身者です。

内容は生活圏の中でもごく近い領域の風景。
セルフポートレート・部屋の中の物・部屋からの景色・家族・立ち回り先で見たもの等。
先に「ごく近い領域」と表現しましたが、これは物理的・精神的の両面でそう言えると思います。

展示会場にお邪魔して半分まで見たあたりで、「正直これは自分には判らない類の写真かも知れない」と思いました。
しかし、全部見終わって出展者様とお話をし(判らないという事も正直に伝え)ダイレクトメールを一つ貰って、帰り道にそれを眺めつつ「ミテイル」というタイトルを見直したところで、初めてなんとなく分かった…かもしれない(笑)。
と、いう感想を持ちました。

身の回りの物・人を撮ってまとめるというと、ちょっとオシャレなイメージでまとめた写真、カメラ日和や女子カメラといったあたりの雑誌に似合いそうな物を想像しそうですが。
今回の展示は距離的なものは同じかも知れませんが、視線や対象の選択が「生々しい」「直感的」とでも言いますか、そのような言葉を連想させる傾向があるように感じます。

撮影期間はちょっとうろ覚えですが1年と幾らかといった期間だそうで、まだちょっと内容にバラけている感じがある気がしました。
逆に言えば長い期間続ければ続けるほどに内容が洗練され纏まって行く予感がする、そんな写真に思えました。
有名な写真家となると、この人のこういう写真は絶対他の人では真似できないといった独特の感じが出てくると思うのですが、そんな風になる期待が出来そうな気がします。
3年、5年、の熟成物?の結果をまた拝見したいと思います。

【写真展】林 幸子 写真展 「ミテイル」

ギャラリーアートスペース「モーター」にて、2007年11月16日~24日(終了)。
35mmフィルム・モノクロプリント。
出展者はワークショップ2Bの出身者です。

内容は生活圏の中でもごく近い領域の風景。
セルフポートレート・部屋の中の物・部屋からの景色・家族・立ち回り先で見たもの等。
先に「ごく近い領域」と表現しましたが、これは物理的・精神的の両面でそう言えると思います。

展示会場にお邪魔して半分まで見たあたりで、「正直これは自分には判らない類の写真かも知れない」と思いました。
しかし、全部見終わって出展者様とお話をし(判らないという事も正直に伝え)ダイレクトメールを一つ貰って、帰り道にそれを眺めつつ「ミテイル」というタイトルを見直したところで、初めてなんとなく分かった…かもしれない(笑)。
と、いう感想を持ちました。

身の回りの物・人を撮ってまとめるというと、ちょっとオシャレなイメージでまとめた写真、カメラ日和や女子カメラといったあたりの雑誌に似合いそうな物を想像しそうですが。
今回の展示は距離的なものは同じかも知れませんが、視線や対象の選択が「生々しい」「直感的」とでも言いますか、そのような言葉を連想させる傾向があるように感じます。

撮影期間はちょっとうろ覚えですが1年と幾らかといった期間だそうで、まだちょっと内容にバラけている感じがある気がしました。
逆に言えば長い期間続ければ続けるほどに内容が洗練され纏まって行く予感がする、そんな写真に思えました。
有名な写真家となると、この人のこういう写真は絶対他の人では真似できないといった独特の感じが出てくると思うのですが、そんな風になる期待が出来そうな気がします。
3年、5年、の熟成物?の結果をまた拝見したいと思います。

2007年12月13日

【写真展】Cocco「想い事。」

ペンタックスフォーラムにて(終了)。
カメラはペンタックス645、おそらくネガでのカラープリント。

出展者は沖縄の歌手として有名とは思いますが、写真の経験も結構あるようでこちらは始めて知り少々驚きました。
645を使っていると言う時点でちょっと素人ではありえませんからね。

ギャラリーの壁面にはそれぞれ
・キャプションと学生時代の自画像
・大判プリント3枚
・L版~六つ切り程度のさまざまな大きさ違いプリントを多数+プリントの合間に布切れに自筆メッセージ
・後に沖縄に運ばれるという、観覧者によるメッセージ入り布切れのディスプレイ
という、写真展とは言うもののかなり自由かつ手作り感あふれる展示です。
客層も20代女性を中心としており恐らくは出展者のファンだと思われます、ストロボの修理完了品を受け取った足でそのままギャラリーに入ったのですが妙に自分が浮いているような錯覚を受けました(笑)

作品は沖縄の風景で構成されていますが、沖縄で生まれ育った人の視線でなければこうはならないだろうといった、その土地の綺麗な部分と生々しい部分が織り交ぜられた写真達です。
その間に貼られている布に書かれたメッセージが、またなんとも独特でご本人の声で脳内再生されている気がして仕方ありません。

ギャラリーを一周してみてこれは「自分」展示ではなかろうか、という気がしました。
写真に限らず作品を展示するということは自分を晒すような部分も含んでいるとは思いますが、この展示は間接的な要素があまりなく、とにかくストレートに見せられている気分になります。

一番の本業は歌手のようですから、そちらでの能力・適性がもろに出た結果でしょうか。
ちょっと自分は苦手な雰囲気のある方ですが、今回の展示では参考になる部分も多く拝見出来たと思います。

【写真展】金村修 Dante Lobster


会期 2007年11月17日~12月15日 会場 void +

これから行く方でこの会場が始めての方、結構判りにくいのでGoogleMapで詳細な地図を印刷して持参し、矢印のマンション一階をよく観察すると良いです、私は3回素通りしてから気がつきました。
ついでに言えば、入ってからも尚判りにくくなっております(^^ゞ

と、余計なお世話はさておき本題。
展示内容はニューヨークの風景・モノクロプリント、ギャラリーには壁のサイズに迫る大型プリント3枚、別室(サロン?)にも少々見本的なものがあり。
金村氏は土門拳賞始め色々な実績のある有名な写真家のお一人と考えて良いかと思うのですが。
今回の展示、自分にはまったく「わかりません」でした。

メインの展示であるギャラリーは、6畳間より気持ち大きいかどうかといったサイズのホワイトキューブ、これに上記の通りでっかいプリント前と左右にドンドンドン!と3枚。
引いて見ようとすると留守番の方が邪魔になるので一旦外に出ていただく必要があるくらいに、狭い空間に大きいプリントです。
フィルムの端っこにある文字(400とかTXだったかな)が見える位置までプリントされており、そのはみ出した感じが更なる圧迫感を生み出している気がします。
大胆で極端に少ない数ですが、このスペースでやるにあたってはインパクトがあり明確な意図が感じられ良い展示方法だと思いました。

しかし問題はここからで。
この3点をじっくり拝見したのですが。




わからない。


黒さが印象的なニューヨークの風景を焼き付けたプリント。
微妙にありそうで無い、独特の構図と視線。
でも結局何が何だかわからない。

わからない。

頭が↑で満たされてグルグルしてきたあたりで、そのままフラフラとギャラリーを出てきてしまいました。
後でよく考えたら、ギャラリーの人にでもお話を聞けば良かったと思うのですが。
でもその際に何を聞いて良いかもわからない、気がします。

うーん、参ったな。

まぁでも世の中説明のしようがなかったり理解のしようがなかったりするものも沢山あるわけで、単純にこっちの頭が足りないだけかもしれないし、まぁわからなくても困らないとは思いますが。
でも何か気になる写真・展示ではありますね、もう今回の展示にもう一度行く余裕は無いのですが、また氏の展示があれば見に行きたいと思います。

2008年02月12日

ルデコジャック始まりました。







詳細は公式?をご覧下さい。


ということで、11日に6階の搬入を手伝って参りました。
どうやら、

「平日の昼間っからツェッペリンをBGMに写真を眺めつつビールが飲める?」

写真展のようでございます。


「酒ッ!飲まずにはいられないッ!」
という方は土曜日に会いましょう、恐らく「補給」に参ります。

2008年03月01日

来訪者

先にの記事でお知らせしていたルデコジャックは無事終了。
6階の搬入・搬出のほか、土曜日の夜にお邪魔してお酒を頂きながら色々お話を聞きにお邪魔して参りました。
その際に伺った中で興味深い話が。

6階の展示に外人さんのお客さんが来たそうですが、会場をグルっと一周見てから質問されたそうです。
「今は何年だ?」
何だろう?と思いつつ2008年ですけど、と答えると。
その2008年に何でこのようなことをやっているのか、森山大道他著名写真家達がとうの昔にやり尽くしたことを今やる意味はあるのか、この写真たちは「No Value」だ、てなことを延々2~30分話された、というか言い返すヒマも与えない怒涛の説教を食らっていたそうです。
結局その外人さんは自分が何者かも言わずに帰っちゃったそうで。
で、出展者さんはあまりにボコボコに言われたのでかなりヘコんだそうですが、夜にはもうこの出来事を消化して立ち直っておられました。

さてこの出来事、「何やら妙なお客に文句を付けられて散々でしたね」と取るか「貴重な意見が貰えたんじゃないの?」と取るか。
自分は前者3割後者7割という所でしょうか。
もし本当に「どうでもいい作品だ」と思っていたら延々と説教などせずとっとと帰ってしまっていると思います。
やはり作品を否定する感想を持ちながらも気になるところがあって、このような形で主張されたのではと考えます。
実際、外人さんのお話の中には日本の著名な写真家の名前が幾つも出てきたりとどう見ても素人ではない様子が伺えたそうです。

写真展をやると、自分の作品が色々な人に見てもらえて感想を直接いただけるのが醍醐味と思います。
その中では今回のような珍客もおられるとは思いますが、批判も感想の内ですしそういった角度から作品を見つめ直す事も必要だと思います。
実際、上記のお話の後に幾つか反省点や今後の方針に使えそうなことも思いついてきた様子でした。
また、今回の出来事の話を集まった人達でしていたら、結構展示で酷く言われたエピソードが色々聞けて興味深かったです。


でもやっぱり2・30分の説教はキツイですよねー、もうちょっとフレンドリーにできないもんでしょうか(^^ゞ
どこかでその外人さんを見ることが出来ればと思います。

2008年03月12日

With Zakka + オープニング


Yasさんによるレンタルスペース、With Zakka +のオープニングを拝見して参りました。
こちらは写真・絵画・オブジェ等の展示を前提としたスペースだそうで、金・土・日の週末のみオープンという形を取るそうです、内部の見た目から詳細までは上記リンク先でご覧下さい。


で、レンタルスペースという名前ではありますが、かなり普通に写真用ギャラリーとして利用出来そうな作りです。
普通のマンションの一室をリフォームしたものですが、いわゆるホワイトキューブと呼ばれる白壁で囲まれた形になっています。
フレームを下げるためのレールやその位置に合わせたライトも完備されていますし、スペースの一面は全面掃き出し窓になっており昼・夜共に快適な鑑賞環境になりそうです。
展示の壁の中には一面だけですが幅5メートル超の面があり、超大判作品を展示することも可能です。
実際に初展示をやる方がテストとして約1m×1.6mのプリントを掛けておられましたが、それが3枚ほど並べて丁度いい位でした。
通常サイズのフレームを数並べるのもいいですが、このようなサイズを1~3点や巨大パノラマで壁一面というのも面白そうです。

こちらのスペースですが、場所が商店街から少し住宅地に入り込んだあたりにあり建築から年数も結構経っているマンションです。
特にスペースの看板等も出しておらず週末のみのオープンと言う事もあり、ちょっと隠れ家的な所で濃い内容の展示を、というモノに向きそうです。
玄関のブザーなどかなりの年代モノらしく、入るときは結構ドキドキします(笑)

ということで早速第一回展示のご案内。

Tarningさんによる写真展、テーマは2つです。

・Vivitar+FlexTight PHOTO
・Tokyo 8×10  その先に見えるもの

オープン時間
4月4日(金曜日)午後3時より7時まで
4月5日(土曜日)午後1時より7時まで
4月6日(日曜日)午後1時より5時まで

場所及び行き方は記事冒頭のリンク先で。
ちゃんと場所と部屋番号・連絡先を控えてから行かないと困る可能性がありますので忘れずに。

2008年04月10日

谷雄治 個展 Vivitar+FlexTight PHOTO & Tokyo 8×10 その先に見えるもの

2008/4/4~6 With Zakka+ で開催(終了)。
「Vivitar+FlexTight PHOTO」ではVivitar Wide&Slimという22mmレンズ搭載35mmフィルムトイカメラで撮影したカラーネガからFlexTightにてスキャンしたデータをB0に印刷、これを数点。
「Tokyo 8×10 その先に見えるもの」ではモノクロ8×10のフィルムをそのままのサイズで密着焼きしたものを10数点。
いずれも東京の風景、これらを同時に展示。
作者blog dream imagination

以前にも紹介させて頂いた週末のみの展示スペース「With Zakka+」初の個展です。
トイカメラの超大判カラー印刷と8×10のモノクロ密着焼きという、非常に対照的で実験としても面白い作品群でした。

8×10の密着はともかく、トイカメラで撮ったネガの大伸ばしは無理があるのではないかと想像しがちですが、FlexTightの性能のおかげかそんなに悪くは見えません。
近づいて見るとフィルムの粒子が丸見えなのですがこの様子が非常に綺麗です、自分も家庭用のフィルムスキャナで最大サイズのスキャンをしてみたことはありますが、その結果で見る粒子はあまり綺麗なものではなかったような気がします。
この結果と写真のサイズのせいでしょうか、非常に迫力があり見ごたえのある作品に思えました。
デカさはチカラ、なのでしょうかね(^^ゞ
古いマンションの写真など日本で無いアジアのどこか、と思うような迫力がありました。



一方8×10の密着は伸ばせばいくらでも伸びるのに、と思ってしまうちんまりしたプリントサイズです。
凝縮した感じはありますが、中判からでも作る事が出来そうな画質ではあります。
しかし、カメラを見ると分かるのですがとにかく大きいです、これを担いで撮って来るという作業はあまり考えたくありません。
このしっかりカメラを据えて掛からなくてはいけない道具の効果か、作品は東京の様々な場所を写していますがどれも絵に安定感がありつつも鋭い着目をしているものが多かったと思います。
建物と建物の非常に狭い隙間から見える東京タワー、船の上に居るように見える岸壁(単に目前に船が係留されていただけだそうですが)から捉えたゆりかもめなど、かなり探さないと見つからないような風景ばかりでした。
実際ロケハンをかなりこなしておられるようですので、まさに努力の結果ですね。

今回の展示では、展示まで見据えた道具選びと作品作りが上手いと思いました。
撮影に夢中になるのは良いんですが、その結果からいざどうしようと悩んでコケてしまう事もあるかと思います。
コンセプトをしっかり決めてその実現手段を用意する、こう言う事も考えて作品作りをしないといけませんね。
どうにも本末転倒な事をよくやるんで、余計に気になるところです(^_^;)

2008年05月31日

横木安良夫写真展ギャラリートーク

ポートレートギャラリーで開催された写真展「GLANCE OF LENS ~レンズの一瞥~」で24日に行われたトークショー。
聞き手は写真編集者のタカザワケンジ氏。

まず写真展では今まで横木氏が撮影されたスナップ写真を展示、具体的なテーマ・コンセプトはなく場所・時期・被写体は全てバラバラのセレクトです。
中にはスナップというより静物・建築写真のようなものもありましたが、氏の撮影活動の全体が見えるような展示でした。

そしてトークショーでは今回の展示と発売した本について、そして現在のスナップ撮影というジャンルについてのお話を主にされておりました。
なにぶん2時間もありましたので、全てを記録するのは無理ですので記事にするのは省略。




で、最後に質疑応答のコーナーとなりストリートスナップをやっている人から最近遭遇したトラブルは?という質問への答えがなかなか面白いお話だったので書いてみようと思います。

少し前に東京ビッグサイトでPIEという写真関係の大きなイベントがあったのですが、横木氏が娘さんを連れてゆりかもめに乗車して帰る際にトラブルが起きたそうです。
ゆりかもめに乗車し、娘さんを先頭座席(自動運転車両ですので運転席が無く絶景です)に座らせた氏は、近くに座るカップルがなかなか絵になるとの事でコンパクトデジタルカメラでこっそり撮ったそうです。
なぜかカメラが連写モードになっており、何枚も撮れてしまったらしいのですがその場では特に何事も無く。
列車が進むうち、西日が差し込みカップルが照らされ非常にいい具合になったそうで、そこで更にパチリ…というか連写モードだったのでパチパチパチっと。
ここでカップルの男性に撮影がバレてしまったそうです。
「今撮ったでしょう!それ盗撮ですよね!!」といったような事を言いながら詰め寄られたそうです。
かなり興奮気味に迫られたようですが、列車が台場あたりに差し掛かり多くの乗車客に阻まれ一旦そこでブレイク。
新橋に着くと再度迫られたそうですが、もう胸倉掴んで今にも殴られそうな勢いだったとか。
ここで乗客の男性数名が割って入って止めてくれたそうです。
その後は警察に行き双方の言い分を聞くことに。
カップルの男性はかなり興奮していてとにかく盗撮されたことを主張。
横木氏は自分は写真家であり車内でスナップ撮影したことを説明。
とりあえずデジタル撮影ということで、中身にヘンな物が写っていないか確認頂いたそうです。
特に公序良俗に反するようなものは無かったようですが、とにかく撮影された側の男性は怒りが収まらず。
結局相手を不快にさせたことは確かということで、当該の画像を消去ということで収まったそうです(たしかそういうオチだったと思いますが違ったかも、記録が怪しくてすいません)。

と、話の大筋はこうでした。
さて、今回のケースは公共の場でスナップ撮影をしていればありえるケースですね、警察まで行ったものの物的・人的被害が無いという点では穏便に済んだ方ではないかと思います。
駅で割って入って止めてくれる人が居たことは結構意外ですね、最近は電車内でのトラブル、特に痴漢と冤罪の話題が取り上げられたこともあり、止めに入った人達はそのあたりのことを心配しての行動だったかも知れません。
警察の人も結構話をわかってくれたようで、撮影画像を見て「こういう自然なほうが好きなんだよね」と言っていたとか。
結構撮影関係のトラブルに関する対処がわかっている人も増えてきたようで、それだけ撮った撮られたのイザコザも多くなっているのかも知れません。

ちょっと話は逸れましたが、今回はデジタルカメラでの撮影だったおかげで、少なくとも悪意のある撮影ではないことを撮影結果をその場で提示して説明できたことは最悪の結果を避ける意味でかなり有利だったと言えるでしょう。
また胸倉を掴まれたからといって反撃して暴力沙汰に発展させず冷静に対処し行った事と意図を説明出来ているのも警察での事の処理を円滑に進められた要因と考えます(後で娘さんを連れていたこともあって冷静に対処出来たと仰ってましたが)。
例え悪意が無いとはいえ非があるのは撮影側ということになるでしょうが、少なくとも上記のようにきっちりとした説明と対応をするのは重要と思います。
これでもダメという可能性も十分ありますが、少なくとも写真家としての主張をしっかり行った上での結果ですので多少はあきらめもつくかも知れません。

今回はスナップ撮影の手段に、悪い言い方をすれば「盗撮」を用いたケースです。
横木氏の場合は盗撮を用いる目的として「その場を乱さないため」と主張されています。
確かにいい感じになっているカップルに声をかけて撮影をお願いした時点で、自然な感じの写真は撮れないでしょう。
もはやスナップではなく記念写真に近い感じになりますし、コレという瞬間を逃すことにもなります。
ただ、断りも無く撮っている訳ですから文句を言われても仕方ありません、このことを覚悟して行うのが前提になると思います。
撮っているのがバレた時点で「負け」、でもありますね。
盗撮を推奨するつもりはありませんが、このような結果になる事をよくわかった上で行う必要があると思います。

今回のエピソードではトラブル遭遇時の実際の話が聞けまして、色々と参考になりました。
最近はあんまりストリートスナップが出来ていないのですが、こういう知識と最新事情は押さえておかねばと思います。

で、ちょっと思ったんですけど。
デジタル撮影の結果って消してもデータ復元ツールで戻せる場合もあるんですよね。
そのうちメディアを廃棄するような結末になるケースなんかも出てくるのではと考えてみたり。
悪意を持ってすればこういうやり方で逆に逃げられますからねぇ…

2008年06月11日

CASHI

日本橋馬喰町に現代美術ギャラリーがオープン。
CASHI

オープニングパーティーのかなり前にお邪魔したので作家さん達は不在。
規模は小さいですが綺麗なホワイトキューブでちょっと工夫も施してあるようです。

参加しているアーチストのうち写真をやっているのが助田徹臣氏。
ひとつぼ展グランプリ受賞時他幾つか展示を拝見していますが、なかなか独特な作品を作られています。
今回の展示では見たことのあるものだけでしたが、また新作が見られることを期待しております


追記:
ポストカード貼るの忘れてました

2008年06月28日

風間健介新作展

風間健介氏の新作展、三井ギャラリー東京 5月29日~6月11日。



会場に入ると、この表示。
前回のルーニーの展示でもそうでしたが、「作品の撮影OK・どんどん宣伝してください」ということでしたので。
既に会期終了となってからの記事になりまして宣伝効果は低いかも知れませんが、まぁ次に繋がればと言う事で(^^ゞ

続きを読む "風間健介新作展" »

2008年09月08日

中藤毅彦写真展 STREET RAMBLER:Vancouver

ギャラリーニエプス・8/30~9/7(終了)、バンクーバーでのスナップ・モノクロプリント。

バンクーバーへはそもそも別の仕事で行かれたそうで、その最中に街を歩き回って撮影を行ったそうです。
撮影した時間は実質4~5日程度、この街へは初めて訪れたとの事。
プリントはザラザラの粒子が目立ち黒が真っ黒な出来です、緯度が比較的高い場所と言うこともあり夕方に近いような光が多く見られる絵との相性も良くカッコイイ。

バンクーバーという街を撮るという点以外で何かコンセプトやテーマがあるという風でも無いようでしたが、短い時間でまとまって展示できるだけの内容になっているあたり熟練したスナップ撮影のセンスと技術を感じます。
また、作品中に天候・時間帯の変化が見られますがプリントの質が均一で安定している点が見やすくさせている気がします。
どちらかと言えば小さいギャラリーですが、20点以上の作品が並んでおりボリュームのある展示に見えるのはセレクトと配置が効いているのでしょうか。

色々と参考になる展示だと思う反面、自分にはまず到達できないレベルかなぁ、と感じました。


最近は撮る方が全然ダメなんですよねぇ(^^ゞ

2008年09月15日

助田徹臣 個展 「日没後に向こう側」

第25回「写真3.3㎡展」にてグランプリを受賞した助田徹臣氏の個展。
CASHI - Contemporary Art Shima にて開催中。
2008/9/5 (金) - 9/27 (土)(日・月曜日及び・祝日休廊)
残念ながら出展者は不在(というかギャラリーの人も奥から出てこない…)

展示はカラープリント多数+αによるインスタレーション。
インスタレーションはギャラリー中で特徴のある場所毎に合せて展示を作ってあります。
ごく普通に写真をフレームに納めた壁面展示から部屋や道具を作り込んだ物まで様々です。


氏の作品は、一貫して特定の人物を撮り続ける事に加え自分自身についての描写のようなものも含めた作りこみのある、そんな内容になっています。
また、展示の度に内容の幅を広げつつレベルが上がっているような経緯を見せています。
今回の展示では過去の内容・展示方法を一部踏襲しながら大きく進歩した物になったようです。
初めて見るという方にはちょっとピンと来ない内容の作品が多かった気がします(過去の作品を見ておいたほうが良いですね)が、今回は展示方法だけでも楽しめる部分はありますので氏の作品を見るにはいい機会かも知れません。

記名の際に作品のプライスリストを拝見しましたが、通常のプリントは¥67,500という一覧に3つシールがついてました。
受賞・活動の実績も確実に積んできた感じがありますね。

2008年10月04日

¥3000で写真売りましょ!買いましょ展

なるイベントが企画されているそうです。

イベント詳細のページ
横木安良夫氏のブログエントリー
簡単にまとめると
・プロアマ問わず参加可能。
・一人10枚までの作品を出展可能、ブック形式で展示
・全ての作品は1点¥3,000で販売!!
…と言う事です。

参加ルールに関しては良いとして、作品1点¥3,000は異例と言うかフリーマーケット的な設定ですね。
アマチュアでもしっかりプリントされた作品は1万円くらいから、それがプロの作品ならもっとゼロがくっついた数字になっているはずです。
ちょっと意地悪な考え方をするとプロの作品を無茶苦茶な安値で買えてしまうとも言えますが、本来の目的は気に入ったオリジナルプリントを見つけて買う事です。
イベント説明の中でも実験と称されていますし、なかなか面白そうなので見に行ってみようと思います。



出品もちょっと考えてみましたが、出せるモノが無いです(^^ゞ
特にスナップ写真については、個展で展示という形なら肖像権云々で揉めてもトラブルと責任の範囲は非常に限定されるので迷惑になる事は無いと思うのですが。
グループ展・販売するとなるとそうも行かないと考えます、ちょっと気にし過ぎかもしれませんが。


追記:
具体的な展示のスタイルを見ることが出来ます。

2008年10月08日

hana 写真展 SO-CO-i-ra ~ソコイラアタリ~

会場:アップフィールドギャラリー
会期:2008年9月26日( 金)~10月13日(月・祝)
開館時間:12~19時・入場無料

フォトブロガーとして有名なhana氏の個展です。
シグマのコンパクトカメラDP1を使用して地元である阿佐ヶ谷界隈を撮り歩いたスナップの展示。
残念ながら訪問時には出展者は不在。

展示作品は至って普通なご近所スナップです。
もうかなり撮影した地域と言うことで慣れている雰囲気を感じます。
ただ世に溢れるご近所スナップと違うのは、ちょっとした視点・構図・そして展示方法のセンスでしょうか。
見た目の差は大きいものではありませんが、長い期間の積み重ねから得た何かがあるのではないかと推測します。

うーん、なかなか上手く説明できませんね。
例えば、このようなご近所写真だと「こんなの誰でも撮れるじゃん」の一言で片付けてしまったら「じゃぁ撮ってみろよ」と言われて実際撮ってみると、そう簡単に同じようなモノは撮れない。
そんなところにある差のようなものでしょうか、やはり人気がある以上どこかにその要因があるはずです。

比較的わかりやすい所では展示のセンスでしょうか。
写真の仕上げはパネル等への直張りやフレームに収めたようなオーソドックスな物でも、サイズや位置を細かく変えたりリズムのある配置にしてあります。
中にはわざと?90度回転した写真を何事も無かったようにしている物があったり。
変わった仕上げでは部屋に吊るしたブランコの上にし小さいプリントを散らしたり、曲がり角を表現したような立体的な作りの飾り方をしてみたりといった工夫もあります。
個人的には曲がり角見たいなモノは要らないかな、と思いましたが。

今回の展示では高画質が売りのカメラを使っていることもあってか、プリントもかなり綺麗な(ラムダでしたっけ?)物が作成されていました。
以前のプリントではインクジェットなどで少し白みがかってぼんやりした描写がメインでしたが、それからはかなり雰囲気が変わっています。
このあたりの意図はどうなんでしょうね。

という事でなにやらオチの無いレポのような気がしますが、まだ若干会期も残っておりますのでご近所スナップが好きな方は参考に見に行ってみては如何でしょうか。



ギャラリーの入っている建物もちょっと味がありますよ(^^ゞ

2008年11月16日

「¥3000で、写真売りましょ!買いましょ!展」

会場:ギャラリーコスモス
会期:10月21日~11月2日(終了)
(11/19追記:第二回が2009/4/21~5/3に内容を刷新して開催予定との事です。)
イベント概要
名前の通り、プリント1枚を3000円で売ることを前提とした写真展です。
1名10枚までA4サイズをエントリー・B4ファイルに3名分収納して展示。
141名が参加、約400枚の写真が販売された。

今回のイベント(写真展と言うにはしっくり来ません)は参加人数も多いため、イベント名で検索すればかなりの記事が拝見できます。
一応主催メンバー様の記事を紹介しておきます。

主催メンバー横木氏のブログエントリー
紹介・告知
終了後雑感

主催メンバー五味氏による今回売れた写真に関する分析

さて今回のイベントですが、その内容は前例が無く「実験」と明言されているだけに色々な意見が出ているようです。
私も参加してみて思うところがありましたので書いて見ます。


・見にくい展示
展示の状況は良くありませんでした。
ギャラリーの内部を3分の2が高額プリントの壁面展示・残り3分の1が3000円プリントのファイルが置いてある場所という割り振りです。
この3000円プリントのスペースですが、一応机と椅子が用意してあり6人位は座ってファイルを見られます。
残りは立ち見となるわけですが、自分が行った時はこの立ち見状態でして、何やら満員電車の中で必死にカタログをめくり続けるような状態になりました。
残念ながらこのような状況では作品をじっくり拝見という事は出来ませんので、パラパラめくって気になるものがあったら手を止めるという程度です。
また、展示枚数が1000枚以上という規模も1枚あたりに時間を掛けられない+混雑する状況を作っていると思います、じっくり見ることも出来なくは無いですが、周りでファイルが空くのを待っている人も居ますからね。
売り買いが関わる前提で作品の鑑賞環境に問題があるのはいかがな物かと思います、もちろん会場・人員の都合からまず理想どおりにはならないことは承知ですが、まず改善すべきところだと思います。

・プロファイルが無い事も
出展物の構成は作家名ページ(主催側が作成)・作家名やタイトルとプロファイルのページ・作品10点のページという構成なのですが、このタイトルやプロファイルのページが無い方が結構見受けられました。
このページの提出も出展事項にも書いてあったはずなんですが、忘れる・見落とす方が多かったのでしょうか。
写真のみで勝負というお考えなのかも知れませんが、やはりある程度は作家と作品についての説明が欲しいと思いました。
特に気になった写真が見つかったときはプロファイルのページまで戻って詳細を確認するのですが、これが無いとちょっと購入も不安になります。

・売れた写真はもう見られない
展示物=そのまま売り物というスタイルなので、売れてしまった作品は作家が補充しない限り拝見することが出来ません。
一応壁にコンタクトシート的作品一覧があるのですが(これを作るのにかなり苦労されたようなのですが…)、あまり参考にはなりませんでした。
従いまして、かなり売れてしまった作家さんのファイルは空ページが多く、残った作品だけを眺めることになります。
10枚全てが独立した単体の作品であれば良いかも知れませんが、多くは全体を通して構成を考えられた作品であったように思えます。
このような状態になってしまうと、写真家の意図する所が見えにくくなってしまい見る側にも不満が出てくると思います。

・3000円という価格
今回のイベントの趣旨は写真の売り買いのきっかけ作りという点にありますので、別に安売り大会というわけではありません。
ただ、本来アート作品として然るべき値段が付く事を良くご理解の方には、イベントの趣旨を踏まえた上でもなお作品が安く扱われてしまう危険を感じる方も居られるのではないかと思います。
また、よくよく考えると3000円はある程度の写真集なら1冊買えてしまうお金なわけです、この発想はイベントの趣旨からちょっとズレている考えですが、作品の価値を考えるにあたって少し引っ掛かる点ではあります。


とりあえず気になった点はコレぐらいでしょうか。
次回へ向けての改善策を挙げるとすれば、


・閲覧スペースを拡大
既に検討されている事項のようですが、これは極力がんばって頂きたい点です。
今回はファイルのスペース以外に著名作家の高額なプリントが飾られていましたが、これは無くて良いと思います。

・プロ・著名人は売り買い対象の出展はしない
イベントへの賛同表明及び宣伝の意味合いで強力なカードだと思うのですが、その反面ついつい著名人の「名前で買ってしまう」と思います。
自分も一枚買ってしまったのですが(やはり誘惑には勝てませんでした(^^ゞ )、イベントの趣旨を考えますとアマチュア同士で真剣に出し合う・買い合うのがスジと思います。
著名人・プロの方には参考とする展示やトークショー・ワークショップなど、指導的立場での活躍を頂ければと思います。

・ファイル展示の方法について
ちょっと現実が難しいかも知れませんが、出展形式を1人1ファイル(ファイルのサイズは皆同じで)にしその中身の構成は出展者に任せるというのはどうでしょうか。
今回は展示方法まで皆同一になりましたので、一枚絵で勝負する以外に工夫できる要素が殆どありません(プロフィール位でしょうか?)。
という事で、小さい空間ですがファイルの中は各自で演出するようなところまで自由度を拡張してもいいのではないかと思います。
またプリントもファイルが膨らみすぎない程度に詰め込んでもOKとすれば、売り切れで作品が見られない可能性も減ります。
逆に売れ残りのリスクも高まりますが。

・値段設定
今回の3000円という数字、こちらも賛成・反対双方の意見があったようです。
反対派は上下どちら方向にも意見があるようで、各自考えがあっての事のようです。
ということで、こちらもある程度の範囲(千円~1万円位?)を決めて各自で設定出来るようにしてもいいのではないかと思います。
安くすれば売れやすいでしょうが、それだけ作品価値の低さを自ら認めた事にもなります。
逆に高額設定でも売れたら、その作品の持つ力を認められたと言うことになるでしょう。


こんなところでしょうか。
細かい所では作品の提出から回収・精算までの手順を見直し、開始前に十分説明すべきと思います。
応募の時点で回収までの手順が見えていない・回収の段になって提出は土日OKだったのが平日のみとちょっと混乱しました。
他にもイベント自体の運営も大変だった様子でしたので、次回は準備期間を十分設けてルールの周知と人員確保に努めてはと思います。
まぁこんなこと書いておいてなんですが、やはり働いているとどうしても休日の一部くらいしかお手伝いできる可能性って無いんですよね。
カンパという形でもあれば良いかも知れません、こちらも管理が発生してしまいますが。

という事で色々ありましたがまずは無事終了・次回もあるとの事ですので、より改善されたイベントになればと思います。
イベントの趣旨自体は必ずしも悪い物ではありませんし、実際参加者もかなり集まりました。
批判すべき点もありましたが勉強になる点も多く有りました、少なくともこれだけの数の作品を拝見することが出来る機会はなかなか無いものです。
特に展示の経験が少ないと、プリント・キャプション・構成だけでも数見ることで得るものはあると思います。

ちなみに私は会期途中で1枚売れまして(作品回収がまだですので、これ以上売れたかはわかりませんが多分増えないと思います(笑)。
反省点も多々ある状態ですのでもう一回くらいはがんばってみたいと思っていますがどうなるでしょうね?

ちなみに、今回の出展作品です。

2008年12月23日

若林 泰子 写真展 「BIG busy」

2008/11/21~30(終了)
会場:With Zakka +
展示内容:モノクロプリント42点(2点大判パネル)+コンタクトプリント等
こちらに写真展のお知らせと後日内容をまとめられたコーナーがあります。

すっかり遅くなってしまいましたが、こちらのブログにもよくコメントを頂くyasさんの個展を見てきました。
展示会場はご自身がオーナーのギャラリーで、週末のみ営業の小さい所ではありますがコツコツ改良を重ねられており友人の家でくつろぐような感覚で作品を拝見できます。
天気の良い午後に来たら、クッションで居眠りしてしまう可能性が高いですよ(^^ゞ


さて、展示内容ですがこちらはもう専門家と言って良いほど通い詰めている夜の渋谷、人物が主体のスナップ写真です。
年単位で撮り続けておられるだけあり、森山大道氏の言う「量のない質はない」がそのまま現れている事をまず感じました。
渋谷センター街というと、面白い人や光景はいくらでもあるんじゃないかと思う人も少なくないと思います。
しかし実際にその場に居合わせて作品として成立するような撮影を行なう、となるとかなり難しいものです。
自分も街で撮る事はありますが、全く撮れない日もたくさんあり、そのたびにツイて居ないのか自分のセンスや見る目が無いのかと思います。
そのような苦難を乗り越えた結果が出ていると思いました。


次に、スナップでは肝心なモノさえ写っていれば多少画質が悪くとも作品としては十分通用する、ということを感じました。
撮影ではライカCLに40ミリをつけ、絞りはほぼ開放近くで2メートル位にピントを固定して撮るという方法をメインにしているそうです。
渋谷の真ん中とはいえ余程街頭が集中しているところ以外はカメラにとっては暗闇も同然です、ピッタリ止まることがまず無い行きかう人達を普通に写すだけでも結構大変です。
最近の高価で高性能なデジタル一眼ならまだしも35ミリフィルムではどうしても厳しい条件ですので、今回の作品でもピンが完全に合っていない・少しブレているなどの状態になっている物も多くありました。
しかし写っている場面が見事だとそういうことはあまり気になりません、というかむしろちょっと格好良く見えたりすることも。
先に言葉を引用した森山大道氏はじめ同じような傾向の作品は幾つも見たことはありますが、実際の現場も見て歩いた経験があるとより一層撮影の難しさを感じます。


今回の展示では変わった趣向としてコンタクトプリントも展示をしていました。
通常、写真展ではセレクトした結果だけを見ていますので撮影現場での試行錯誤まではなかなか解るものではありません。
コンタクトプリントを見ると、一発で決めたカットもあればしつこく粘った挙句ダメだった、というような現場での空気がちょっとわかるような気がしてきます。
デジタルでも似た様な一覧印刷は出来ますが、フィルムのコンタクトでは手でカメラに詰めシャッターを切っては巻き上げていく経過がリアルに感じられます。
何でも展示すれば良いものではありませんが、スナップ写真の展示では有効かつ面白い試みの一つだと思います。


今回の展示でも十分見応えはありましたが、ご本人の周囲のお話を聞くとまだまだ進化する作品群になりそうです。
撮影・プリント・展示と色々今後の改善や展開がありそうです、次の展示にも期待しております。
と、同時に自分ももうちょっと頑張らないと、とかなり思う結果になる展示でした(^^ゞ

2009年04月02日

見に行くメモ

大石由利子写真展「秋葉原」
つきじTASSぎゃらりー若松屋
平成21年3月30日~4月11日 

ウチは同じところと時期?を撮っていたわりに結局まとまらずグダグダになっているので。
参考にさせて頂きたいと思います。

2009年04月07日

大石由利子写真展「秋葉原」

会場:つきじぎゃらりーわかまつや
会期:平成21年3月30日~4月11日

という事で見てきました。
会場は築地市場から少し離れたあたり、昔ながらの建物もまだ多くその中にポツンと存在するギャラリーです。
ギャラリーの建物自体も古いもので、展示用の部分だけ綺麗にリフォームしてあるという構造です。
展示内容は2006~08年の間に撮影された秋葉原の写真、内訳は殆どがポートレートです。
プリントはデジタルで撮影しラムダで出力(作家さん曰くこの組合せが良い色になるそうです)。最大幅×ギャラリーの壁一杯の巨大プリントに多数のカットを入れたもの・A2位の1カットものを数点・その他という感じです。
作家の方は中年の女性でお話を聞くととても活発そうな方です、その性格が作品にも反映されている気がします。

作品の内容は殆どが歩行者天国に出没していた方々のポートレートで占められています、特に壁の巨大プリントは広角でほぼ顔だけになるサイズまで寄った絵だけで数十カットも入れてあります。
その他もやや構図を変えながらもポートレート、非常に明快な構成です。
記録としてもなかなか良いものになっていると思います、展示分以外にも作品はあるそうなので秋葉原で展示が出来たら面白いかも知れません。
写真に写っている風景・面子から見て、秋葉原の歩行者天国がマスコミを通じて広く知られる事になり、色々な人が外部からやってきて非常に賑やかだった時期に集中しているのがわかります。
それだけに内容・雰囲気が統一され判り易いと思います。

さて、作品を見ないとちょっと説明し難いのですが、歩行者天国で何かしら目立つことをやっていた方々の顔で画面いっぱいのポートレートは撮影にちょっとだけ苦労があったようです。
というのも、
・被写体は女性に撮影を求められることが珍しく、ちょっと戸惑う事もあった(撮影者の大抵はゴツい機材を持った男性が大半です)
・広角で非常に寄るという撮影スタイルの為、その機会を作る必要があった(前述のような男性陣は大抵望遠レンズを持って距離を保ちながら取り囲みます)
という事情があったようで。
しかし結果的にかなりの数を撮影されたようで、それが今回の結果に繋がっていると思います。

次回の展示はまた違うテーマで作成されるようですが、機会があれば秋葉原で再展示という事も期待したいですね。



蛇足とは思いますが、ちょいとこちらで知る限りのアキバ事情でも。
殺人事件以降歩行者天国も中止となった秋葉原ですが、今回の写真展の題材になったような目立った格好をしている方々(メイドなんとか的コスプレ)をこれだけ撮れる場所と期間は、かなり限定されておりました。
まず期間としては2004~05年頃から2008年初頭ですね、6月の殺人事件の頃はもう警察による取締りが厳しくあまりこういう人は居ませんでした。
平日は歩行者天国自体がありません、当時駅前はビラ配りの人がたくさん居ましたがこちらはかなりの確率で「撮影NG」です。
メイドなんとかな店舗の店員さんがほとんどなんですが、目立つ格好しておいて撮るなとはなんだと思う一般の方も多かったようですね。
個人の事情のほかお店では撮影禁止がまず当たり前・通ってもらうことが目的である事もありますが、なんというかオタク系イベントに通じる独特の撮影規制概念もあるようです。
日曜・祝日は天気が良ければ歩行者天国があります、こちらには様々な人達が目的を持って集まっておりました。
やはり目立つ格好をしている方々はそれなりの目的があって出没しているわけで、前述の店舗の宣伝等の為のビラ配りさんでもない限りは比較的簡単に撮影に応じて貰えていたと思います。
また、駅前に居るモノよりは歩行者天国に居る人のほうが同じビラ配りでも撮影OKな人が多かったですね。
こういう状況でしたので、少なくとも特定の被写体の数には困らない状況ではあったと思います。
ちなみに現在では、歩行者天国の実施は無く駅前及び周辺でのビラ配りも禁止になりました。
駅を少し離れるとビラ配りさんが若干名居ますが、何れも店の宣伝目的で撮影はNGのようです。
また、宣伝している業種も喫茶店よりはデート等風俗よりな内容が増えているようで、喫茶店の宣伝にしてもキャッチのようなトークをかましてくる人もたまに見かけます。
比較的きちんとした店ではこのような行為は無いようなんですけどね。
まぁ、今から秋葉原の街頭でパフォーマンスをしているコスプレさんを撮りに行こう、と思っている方はかなり想像と違った現実を見ることになるのでお気をつけ下さい(^^ゞ

2009年05月26日

若林 泰子 写真展 「BIG Busy 2009」


会場:With_Zakka

残り会期:
5/29(金)13:00-19:00
5/30(土)13:00-19:00
5/31(日)13:00-19:00

いつもブログにコメントを頂いているyasさんの写真展が開催中。
ということで、先の土曜日に拝見して参りました。

内容はずっと続けておられる夜の渋谷のスナップです。
ご本人のお話では、余程の事がない限り土日は撮影に出ているとの事、まさに継続は力です。

で、今回の展示の特徴としては非常に短い期間で撮影から展示までを仕上げている事です。
全ての作品に日付が入っているのですが、一番古くても今年の1月です。
ここから最近の日付までが入っており、セレクト→プリント→展示とこなしておられます。
前回の展示から約半年ということで非常に短いサイクルですが、ちゃんと展示として仕上がっているあたりどんどんレベルアップされているようですね。
また、作品の内容も安定してきており「渋谷のこういう場面を見せたい」という意図が明確に感じられます。

ちょっと話題になったのは、ご本人も語ってる事なのですが「アングルが一定の角度で傾いている」事。
なるほどかなりの作品が左下がりに傾いています。
撮影の現場ではじっくり構えて撮る事が出来るのは稀な事だそうで、咄嗟に撮るとこうなるとか。

実際夜の渋谷を歩くと、何もかもが「速く」感じます。
スクランブル交差点の人の流れ、時間による人の違いと流れの方向、街の景色。
一ヶ月空くだけで印象が違う事も珍しくありません。

こういう場所だけに通い続ける事による成果があると思われます。

2009年09月15日

Workshop 2B Group Photo Exhibition

写真と記事内容に関係はございませんm(__)m


以前お世話になったワークショップ(只今30期受講生募集中!)の受講者によるグループ展が開催されます。

Workshop 2B  Group Photo Exhibition
会期:9月22日(火)~27日(日)
会場時間:11:00~19:00(最終日17:00)
会場:ギャラリー・ルデコ 2F&3F

今回はシルバーウィーク(この名前しっくり来ない)に当たる期間ですので見に行く時間も取りやすいと思います。
写真の撮影から展示まで+写真を見ること・売ることなど広く浅く、でも時々深い内容のワークショップの概要を知ることが出来る展示です。
興味のある方は是非。

ちなみに同じ期間6階では6×6好きなお嬢様方の写真展も開催中との事。

2009年12月02日

若林 泰子 写真展 「BIG busy 2009」2

会期:2009/11/20-23,27-29(終了)
会場:@With Zakka +

いつも夜に渋谷のストリートをスナップ撮影しているyasさんの写真展に行ってきました。
…と、同じような事を今年の五月末に書いているのですが、間違いではありません。
同名で年内2回目の(だから正確には名前にも「2」が付きますね)展示です。

ストリートスナップをやっていて感じる事に、そうそう「使える」カットが簡単には撮れないことが挙げられます。
それこそ何日堤防に通って釣り糸を垂らしても一向に釣れない、という感じの状況になる事も。
更に数が揃った所で展示方法や並びなど考えながらセレクトすると、最終的に残る割合と言うには非常に少ないものです。
そんなジャンルで年2回という展示はちょっと真似できないスピードですね。

写真を拝見する限り今年前半に行なった展示と基本的には同じ傾向、渋谷を歩く人の中でもおしゃれだったり特徴(訳ありとでも言いましょうか?)がある人を結構近い距離で撮っているもので構成されています。
前回よりも更に「渋谷のこういう場面を見せたい」という点がはっきりしてきたように思えました。

また、新しい展示の試みとして出来上がったプリントから大判のトレーニングペーパーにコピーして窓ガラスに貼ると言う展示も行なわれておりました。
コピー機による複写でトーンや黒の締りが犠牲になりますが、光が良く透けるトレペで鑑賞するとまた違った雰囲気になります。
特に発光するものがある場面との相性が良いようです。

今後も意欲的に撮影を続けられるようですので、また「2009」の展示も楽しみにしたいと思います。

2010年03月04日

m.s.park 写真展 「God knows Everything」




会場:コダックフォトサロン(東京都千代田区外神田3-12-8 住友不動産 秋葉原ビル12F エスカレーターで3Fまで上がってからエレベーターに乗り換えます)
会期:3月1日(月)~3月12日(金) 午前10時~午後7時 (土曜・日曜は休館)
6×6のモノクロプリント二十数点。
写真展案内ページ
作家関連サイト
m.s.park photograph
m.s.park's blog

コダックフォトサロンが秋葉原の新しいビルに移っており、常に展示を行なっています。
こちらはメーカーの運営するギャラリーとしては妙に使い勝手が悪い、というのも土日祝日お休みで夜は19時まで(本当は会社本体に合わせて18時終了にしたかったとか?)という開館時間。
その上オフィスビルの12階にあるため(サービス窓口の機能等無く本当にギャラリーのみ)、まず通りがかって入る所ではありません。
なので、あまり縁の無い場所でしたが気になるテーマの展示がある時だけは仕事を定時で切り上げてアキバに走る、という具合で見に行っておりました。
そして今回も秋葉原を撮った展示と言うことで上記の通りに、そろそろ終了時間ではありましたが会場では作家さんと30分くらいお話させて頂きました。

さて今回の展示ですが、m.s.park氏が1日で秋葉原を巡って撮影した結果をまとめたものです。
何でもコダックのフォトサロンの秋葉原移転という事で撮影も秋葉原を、と思ってきた見たところ街や人の景色にちょっと引かれたようで1日目は撮影を断念されたとか。
で、2日目に訪れた時が神田祭の日で、上手く街になじんで撮って回ることが出来たようです。
その後神田明神や秋葉原の歴史を紐解いた上で作品を構成していったという流れだそうです、このあたりは写真展の案内ページにも記載があります。

作品ですが、6×6モノクロプリントですが現像後一旦デジタル化して一部合成しその後フィルムに焼きなおした上で紙焼きして仕上げています。
なので、プリントそのものは銀塩ですがプリントされたイメージは撮った通りではないというちょっとトリッキーなものです。
その合成も明らかに判る大胆なものから、種明かししないとわからないものまで加減は様々です。

展示はやや暗い会場に1列に並んだ作品を順番に見て行ける様になっているシンプルな配置ですが、結構細かい配慮がなされています。
写真のセレクトはもちろんですが、イメージの明暗・会場の照明の具合が進行するに従い同様の変化を見せるように調整されています。
また、ちょっと気がつかない程度に小さくタイトルとも説明とも見える一言がダイモで刻印されたテープで貼ってあります。
BGM的なモノも流れており、これは作成過程での作家の解釈から出来たと思われる演出のようです。

で、どんなものかは実際見ていただくとして(会館日時微妙ですけど!)。
今回の内容は秋葉原を撮った作品としては異質ながらも見応えのあるいい作品だったと思います。
まず1日で撮影した結果から出来ているという点があるのですが、その短い時間にも関わらず「秋葉原」と定義されるであろう区域の要点を多く押さえており、尚且つ古いものから新しいものまでカバーしています。
ブックを拝見して色々なジャンルを撮っておられる(おねーちゃんからブルーノート東京まで!)プロの方と判るのですが、初めての街でもポイントを見抜くセンスがある事を感じさせられます。
作品を仕上げるのにあたって合成を使っていますが、おそらく意図は二つあり奥行きや臨場感を作る為の気がつかないような演出と秋葉原の今昔と様々なジャンルのものが入り乱れている現状の混沌を表す為の派手な演出が同居しているように思われました。
説明を頂いたものの中では、写真の手前にちょっとだけ手すりを入れて奥行きを判りやすくする・コミュニケーションを想起させる被写体のバックにトランシーバーの売り場を大胆に差し込むと言った物です。
フィルムで撮っているのに合成とは、はたして写真と言えるのか?という意見もあると思いますが、変化の激しい今の秋葉原にはなかなか似合う演出に見えました。
今回の作品では、作家さんは江戸城鬼門守護(の神田祭)とその先に現代の百鬼夜行が見られそうな秋葉原を捉えているようです。
ポストカードのメイドチェキも別にメイドさんの写真があるよ、というわけではなくとある「見立て」だそうで。
その辺も考えながら見てみると面白いと思います。

で、最後になんですが、冒頭で紹介したとおりなかなか出展者のコネ以外のお客さんが入るギャラリーではないようで。
宣伝があまり上手くなかったかな、と作家さんも漏らしておりましたので興味があれば是非見に行ってみてください、特に秋葉原に勤める・地元の方にも見て欲しいですね。
作家さんも穏やかな話口で色々な事が伺えると思います。
ただ、平日昼間しかやってないのでそこだけ注意です(^^ゞ

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